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ライフオーガナイザー資格制度を創設

都道府県大阪府 年代40代 業種コンサルタント
 株式会社ライフオーガナイズ
[ 代表取締役 ]
高原 真由美 さん

高原真由美さんは、百貨店に17年間勤務し、週末起業から開始。片づけと整理収納のコンサルティングを行ない、整理や片づけが苦手な人をサポートする人材育成のため、ライフオーガナイザー資格制度を創設しました。

起業したとき

仕事の経験
結婚
子ども
生かした していた いた

プロフィール

大学卒業後、百貨店へ入社し、インテリアコンサルティング部門にてトップセールスとなる。夫の交通事故を機に起業という選択を知り、社外ネットワークを築きながら「週末起業」をスタート。整理収納サポートサービス「楽カジ.com」を開設。2008年末、一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会を設立。2009年、百貨店を退職し、株式会社ライフオーガナイズを設立。ライフオーガナイザー資格制度を開始する。

起業年表

年齢 西暦 主な活動
22歳
1992年
大学卒業後、株式会社高島屋入社。法人外商事業本部に配属 
28歳 1997年 結婚。洋家具売場へ異動 
29歳 1998年 インテリアコンサルティング部門に異動。インテリアコーディネーター兼営業職として配属 
32歳 2001年 出産のため、産休、育休取得 
34歳 2003年 出産前と同じ職場に復帰 
35歳 2004年 職場でトップセールスとなる。夫が交通事故に遭う 
37歳 2006年 夫3度目の手術。社外セミナー等に参加し、社外ネットワークの構築と起業に向けての情報収集を開始。整理収納アドバイザー資格を取得 
38歳 2007年 週末起業開始。ビジネスパートナーとなる佐伯新和と出会う。週末起業フォーラムに加盟。ポータルサイト起業講座に参加し、「インテリア・整理収納ポータルサイト〜楽カジ.com」を開設。整理収納セミナーを開催 
39歳 2008年 「スタイリッシュお片づけ&収納コンサルティング〜楽カジ.com」を開設し、整理収納サポートサービスの提供を開始。 一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会を設立。ライフオーガナイザー資格制度の準備を開始 
40歳 2009年 週末起業フォーラム第3回女性週末起業家賞を受賞。早期退職制度を利用し百貨店を退職。 株式会社ライフオーガナイズを設立。一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会において資格制度を開始。 

起業ストーリー

準備・整理・計画・見直しをサポートするプロフェッショナル

プロフェッショナル・オーガナイザーという職業をご存知でしょうか? 住居・生活・仕事・人生等あらゆるコト、モノを効果的に準備・計画・整理し、見直しをするお仕事で、言わばアメリカにおける“整理のプロ”。実はアメリカには20年程前からある職業なのです。この、プロフェッショナル・オーガナイザーを日本に普及しようとしているのが、高原真由美さんです。
「ただ、アメリカと日本では国民性も文化も違うので、そのまま持ってきてもうまくいきません。日本の社会背景や住宅事情、日本人の特性などを考慮して、日本人向けに体系化されたカリキュラムをつくりました」
こうして誕生したのが、日本で初めてのライフオーガナイザーという資格制度です。
高原さんは、2009年4月まで百貨店に勤務していました。大学卒業後に入社し、17年間を会社員として過ごしてきたのです。
一般に百貨店勤務というと、売り場での接客のイメージがありますが、実際はいくつかの事業部を持っています。高原さんが最初に配属されたのは、個人ではなく、会社相手に商品を販売する法人外商事業本部でした。
「仕入れなども行なえるので、女性の新入社員としては、かなりやりがいがある仕事でした」
3年ほど経ったとき、インテリアコンサルティング部門の女性社員と一緒に内装の仕事をする機会を得て、刺激を受けた高原さんは、翌年には、インテリアコーディネーターの資格を取得します。人事考課表にインテリアコンサルティング部門への異動を希望することを明記し、結婚を機に、家具売り場への異動願いを提出しました。家具売り場での販売経験が、インテリアコンサルティング部門異動への道につながると考えたからです。そして、1年後には、希望通りインテリアコンサルティング部門へ。
「その部門でトップセールスだった一回り年上の尊敬できる先輩と出会って、仕事を教えてもらいました。こんな暮らしがしたい!というお客様の希望を具現化するのがコーディネーターの役割りで、それは女性が得意とするところです」

夫の事故をきっかけに、起業という生き方を知って

その後、尊敬していた先輩たちが異動や出産で職場を去り、責任ある立場で着実に経験を積んでいった高原さんは、出産後に同じ職場に復帰して、トップセールスを達成します。
結婚したとき、“一生働きたい”という高原さんを理解してくれたご主人は、当時、車のディーラーの仕事をしていましたが、育児に協力するために自宅に近い企業に転職しました。
「保育園へのお迎えも、月・木曜日はベビーシッターが、火曜日は夫、水曜日は私、金曜日は夫の両親…というシフトを組みました。復帰した年は、ベビーシッター代で給料が消えていくこともありましたが、次につなげるためだと思ってがんばって、翌年にトップセールスになりました」
ところが、高原さんにとっての転機が訪れます。バイクに乗っていたご主人が事故に遭い、2年間、自宅療養することになってしまったのです。複雑骨折を治療するために全身麻酔が必要となり、同意書を書かなくてはなりませんでした。このとき初めて高原さんは、人生はいつ何があるかわからないと考えるようになります。手術の待ち時間のときに、読む本を探していて、書店で出会ったのが起業本でした。
「こういうやり方があったんだ…と思って、次々と起業本を読みました。大きな百貨店の中にいて、すべて人間関係がそこで完結しているということに気づいて、これでは、100%会社に依存していると思ったんです」
そこで、まず社外を知ろうと思い立ち、異業種交流のセミナーに参加するなどするうちに、会社に勤めながらの「週末起業」に出会います。お金をかけず、会社にも迷惑をかけないビジネスということで思い立ったのがインテリアコーチングでした。自力で簡単なホームページをつくり、メールでお客さんの部屋の写真を送ってもらい、週末を利用して簡単なアドバイスをするビジネスを始めます。仕事がそれなりに入ってくるようになったときに、高原さんはふと考えます。
「これって、結局時間の切り売りなんじゃないかって。こんなことなら会社員の方が自給換算したら高いくらいだって思ったんです。こんなのは起業じゃないって」

誰もが暮らしやすい環境を手に入れることを目指して

社外のネットワークを広げていくうちに、2007年に佐伯新和さんという女性と出会い、設計事務所を営み一級建築士として活躍する彼女と意気投合します。その年の9月、高原さんが加盟していた「週末起業フォーラム」主催の「ポータルサイト起業講座」に一緒に参加しました。ポータルサイトをつくって、アクセス数を増やせば広告収入も見込めるという講座でした。
これを機に、高原さんは佐伯さんと、どんなポータルサイトのニーズがあるかを話し合いながら、自分たちが欲しいと思うサービスを模索します。
「お互いに、お客様の家はきれいにできるし、やり方は知っているのに自分たちの家はできない。なぜかというと、私たちはもともと片づけが嫌い(笑)。片づけてくれる人がいたらいいのに…という話になって」
女性専用のSNSでマーケティングを行ないながらニーズの手応えを得て、整理収納アドバイザー資格も取得。2008年には、「スタイリッシュお片づけ&収納コンサルティング〜楽カジ.com」のサイトを完成しました。
「訪問ヒアリングをして、その人に応じたプランをつくるというパッケージ。実際に片づけをサポートする、収納家具などを納品する、というオプションも設けました。まずは、片づけを人に頼むことを広めたかったんです」
高原さんたちがユニークなのは、自分たちがその仕事を請け負うだけでなく、片づけのコンサルティングができる人を増やしたいと考えたことです。
そして、誰でもできる…つまり、片づけが嫌いな人でもできる方法を探すうちに、アメリカに20年前からあるプロフェッショナル・オーガナイズという職業と出会います。
「ただ片づけをするのではなく、頭の中の整理から始まって、空間の整理のサポートをするというものです。これを日本で資格制度にしようと決めました」
こうして2008年12月に一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会を設立します。「一般社団法人は、公益性が認められれば社団法人に格上げされる可能性があります。そうなればインテリアコーディネーターの資格と同じになる」と見据えてのことでした。
高原さんは、一般社団法人設立までを百貨店に勤務しながら成し遂げましたが、会社の退職を決めたのは、「第2子を流産したことを機に今後の人生を改めて考えたから」と言います。「実際に役立つ資格制度を広める」ことに、やりがいと可能性を感じたのです。
そして、2009年春に百貨店を退職し、株式会社ライフオーガナイズを設立。同社はライフオーガナイズ業務とアドバイザー育成事業を行ない、日本ライフオーガナイザー協会は資格発行と啓蒙活動を行なっていきます。
「ライフオーガナイズの目的は、誰もが暮らしやすい環境を手に入れることです。いまは私が代表理事で全ての運営を取り仕切っていますが、仕組みが出来上がったら会長職を創設し、2年に1回は会長が替わるようにしていきたいですね」
全国展開で先生を育て、10年後に1600人のライフオーガナイザーを誕生させることを目標に、スクールを開催し、資格の認定をスタートしています。

会社概要

会社(団体)名 株式会社ライフオーガナイズ
URL http://rakukaji.jp/
創業 2008年9月
設立 2009年6月8日
業務内容 整理収納コンサルティング、インテリアコーディネート、セミナー開催、オンラインショップ運営、一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会事務局運営

(高原 真由美さんの場合)

起業のきっかけ、動機

夫が交通事故に遭い、約2年間の自宅療養を余儀なくされたことで、人間いつ何がおこるかわからない、一度きりの人生、後悔しないように思いどおりに生きてみたい、という思いが強くなったことです。また会社に依存せず、仕事もプライベートも自分でコントロールできる生活をしていきたいと思うようになったためです。

起業までに準備したこと

まずは社外の人脈作りに取り組みました。また週末起業としてスタートさせることで、最小限のリスクで起業のシミュレーションをしました。多くのビジネス本を読み、サラリーマン脳から起業家脳へシフトさせることを意識的に行いました。

起業時に一番苦労したこと

週末起業から始めたので、週末起業をするための時間をいかにつくっていくかが最大のポイントでしたし苦労した点です。

だからうまく起業できた!…その一番の理由

まずは週末起業から始め、ある程度の採算性が見込めると判断した時点で正式に起業したこと。またとにかく思いついたらすぐ行動、を実行し続けていったこと。そして自分への投資を怠らなかったことです。

起業時の環境(友人や家族の協力他)

週末起業だったため社内の人にはずっと秘密にしていました。実際に退職し起業する時には、職場や取引先の人、みんなから応援してもらい素晴らしいスタートをきることができました。また家族は以前から本当に協力的で、私の思うようにさせてもらいました。

最初のお客さんと営業方法

週末起業の仕事の最初のお客様は、インターネットからでした。営業は全てオンライン上で行い、基本的にホームページとブログやメルマガでの集客しか行っていませんでした。いまもやり方は大きく変わっていません。

起業の際の重要ポイント

時間管理と責任感です。私の場合は好きでやっている仕事だということも重要です。起業後は、どの時点で従業員を雇用するかが課題の一つです。外注できるものは外注していますが、社内でやらなくてはいけない運営に関わる事務や雑務をマニュアル化していく必要があると思っています。例えば講習会の会場手配、認定証作成などは誰でもできるようにして、従業員に任せて、仕事の効率化をはかることが必要です。

役に立った情報源や相談先

週末起業フォーラム、大阪産業創造館、さかい新事業創造センターです。大阪産業創造館は、中小企業支援を行なっていて、無料コンサルティングが充実していました。

開業資金

退職金の中から300万円を充当しました。

活動拠点(事務所・店など)

大阪市天王寺区のSOHOタイプのマンションの1室をオフィスに借りています。

起業時の管理体制の整備(税理士、弁護士、弁理士など)

一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会については、顧問税理士をつけています。一般社団法人を設立した時に書類作成をしてもらった熊本の(インターネットでの依頼)行政書士の方から、自分にあった税理士を選んでくれるというサービスを紹介され、そのサービスを利用しました。

起業後の転機

まだ起業したばかりなので、これからだと思いますが、起業後に第2子を流産したことで、世の中には自分がいくらがんばってもどうしてもコントロールできないことがあることがわかりました。

起業して自分が成長したと感じたこと

会社に勤務していたときは自分のことだけを考えていました。起業という選択をしたことで、応援されることが多くなり、自分も応援する側になることが増えてきました。自分だけのメリットから離れて、公益法人をつくり、人のためにライフオーガナイザー育成事業を広げたいと思っています。一見無駄だと思えることでも将来につながればいいというような視点が持てるようになったこと、みんなが喜ぶことをやってこそ仕事になると思えるようになったことなど、起業前の自分とはずいぶん変わってきたと感じます。

起業を志す人への一言アドバイス

会社に自分の生活をコントロールされない暮らしというものが、こんなに快適なものだとは知りませんでした。会社員生活が17年間と長かったせいもありますが、こんな選択肢があるということを知らないとは、なんと損な人生を送っているのかと思います。とにかく、いまは毎日が楽しくてしかたがありません。ぜひ、この楽しさを1人でも多くの人に味わってほしいと思います。

気分転換のしかた

あまり気分転換が必要になることがないのですが。あげるとすれば、家族でドライブか長編小説や長編コミック等に没頭することです。

その他伝えたいことなど

『オーガナイズ』という概念を多くの人に広め、実際にサポートしていく専門的な資格であるライフオーガナイザーを育成し、職業として認知させていくこと。これを実現することが国民の健全な社会生活の向上と、住宅における豊かで上質な住空間創出に貢献できると確信していますし、私のミッションだと考えます。
そのためにはライフオーガナイザーの育成を担う一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会の公益認定をとり、社団法人に格上げすることが当面の目標です。


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