オーダーウィッグの会社で働いていた明石春枝さん。ウィッグは高価で限られた人しか買うことが出来ないという常識を変えられないものか、適正な価格で質のよいウィッグを提供したいと考え独立を決意しました。
仕事の経験 |
結婚 | 子ども |
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生かした | していた | いた |
化粧品会社、商社勤務を経て結婚。その後コミュニティ新聞の記者として従事する。下の子が中学生になったのを機にホテルに正社員として就職し、ブライダルプランナーとなるが、系列ホテル倒産を機に退職。その年離婚。オーダーウィッグの会社に入社、神戸店店長に抜擢、優秀な営業成績を収めたが、カツラ業界の価格設定、販売方法等に疑問を感じ2004年退職、同年8月Jinaサロン創立。
年齢 | 西暦 | 主な活動 |
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18歳 | 1973年 |
高校卒業。化粧品会社入社 |
19歳 | 1974年 | 化粧品会社退職 |
20歳 | 1975年 | 商社入社、受付業務担当 |
24歳 | 1979年 | 商社退職、結婚。一男二女の母となる |
37歳 | 1992年 | 地域密着型コミュニティー新聞の記者となり環境問題、女性の社会参加、高齢者問題等数多くの課題をテーマに執筆活動をする中で、特に女性の積極的な社会参加の必要性を実感する |
42歳 | 1997年 | ホテルにてブライダルプランナーとして接客業の基本を身に付ける |
44歳 | 2000年 | 系列ホテル倒産に伴うホテルの営業実績低下をきっかけに退職。同年オーダーウィッグと育毛ケアの全国展開をしている企業に入社。カウンセラーとして営業を担当 |
45歳 | 2001年 | 入社半年目に神戸店店長に抜擢される。 本部営業部長を兼任しながら、常に神戸店をトップの営業成績に。 カツラ業界の価格設定や販売方法に疑問を持ち自らの起業の必要性を考えはじめる |
48歳 | 2004年 | 同社を4月に退職。退職後の6月末に同社が倒産。8月Jinaサロン創業 |
49歳 | 2005年 | 第4回女性起業家大賞 特別賞受賞(全国商工会議所女性会連合会) |
50歳 | 2006年 | 株式会社Jinaサロン設立 |
明石さんは3人の子どもを出産後、地域のコミュニティ新聞記者として働き始めました。数年後子どもも成長したため、本格的に社会参加しようとホテルのブライダルプランナーに転職。しかし、系列ホテル倒産の影響でサービスの質の低下を感じるようになります。自分自身が満足できないサービスを提供するのはいやだ、と考え退職。その年離婚も経験、44歳でも安定した収入が得られるという専門外のウィッグ会社に就職しました。そこで神戸店の店長としてお店を常にトップの営業成績へと導いたのです。しかし、この頃から明石さんは、50万円〜100万円という高額なウィッグが本当に適正価格なのか疑問を持ち始めます。ウィッグも高額でしたが、育毛ケアは、一年で最高600万円もする契約があり、その現状に行き詰まりも感じていました。当時、担当していたお客さんには自分の娘と同世代の女の子もいました。事情があって脱毛などに悩んでいる人たちに本当の手助けをしたい、と考え始めます。会社側に価格を下げる必要性を提案しても受け入れてはもらえず、それなら自分で会社を興すしか方法はないと考えたのです。こうして2004年にJinaサロンを開業しました。
明石さんが退職したその年の6月、それまでいた会社が突然倒産します。
高い契約料金を払っているお客さんも大勢いました。また、髪の悩みをどこへ相談したらいいのか、途方に暮れていたのです。そのお客さんたちを早くフォローしなくてはと、低価格でかつ質のよいウィッグ製造ができる工場を探し、サロンの物件探し、資金確保に奔走しました。友人や知人の協力、特に資金面では、前の会社の時のお客さん数名が無利子で貸してくれたのです。いい物を早くみんなに提供しなくてはという明石さんの使命感が伝わったのでした。いい仕事がしたい、後ろめたい仕事はしたくない、という一貫した思いがこれまでの明石さんの仕事選びのポイントでもあります。こうして、必要とされ、ありがとうと喜んでもらえる仕事に巡り会うことが出来ました。
ここまでやってこれた原動力のひとつとして娘さんたちの存在があります。娘さんたちは「ママがあこがれ」だそうです。娘たちにほめてもらえるような母になりたい、という目標も絶えず明石さんを支えてきました。「大変なこともありましたが生きてきたことすべてが役立っています。どんな仕事でも経験が力になると思います。もし苦労のない人生と、苦労のある人生どちらがいいかと問われたら私はやはり苦労のある方を選ぶでしょう。」
サロンと並行して、女性の起業を応援したいという思いもあり、2007年3月に低資本でも開業できるダイエットエステサロンのモデル店をJinaサロンと同じビルの2FにJinaスリムボディサロンとして開業しました。今の日本では若い人しか就職できない、年齢に関係なくもう一度働きたいと考えている人のためにこのシステムが活用されればという思いからです。「起業するならちょっとの無理は当たり前、覚悟は必要です。でも大きな無理はしないほうがいいと思います。起業は身の丈にあったスタイルでやる方が失敗やけがは最小限ですみます。女性は大きな無理をしない人が多いと思うので起業にも向いていると思うんです。」
会社(団体)名 | 株式会社Jinaサロン |
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URL | http://www.jina.jp |
創業 | 2004年8月 |
設立 | 2006年3月15日 |
業務内容 | オーダーウィッグの直販及び美容室と提携して販売、直営(美容室、ネイルサロン、ダイエットエステサロン) |
口コミや紹介販売の難しいと言われているオーダーウィッグを適正な価格で本当に困っているお客さんに提供したいと考えました。今後も増えるであろうニーズに誠実に対応できる仕事をしたいと考えて起業しました。
クオリティーの高いウィッグの製造依頼先を探しました。同じ思いで働くスタッフの確保(元の会社のスタッフがついてきてくれました)、また、アクセスの良い場所でサロンを探しました。
資金不足、時間不足です。お客様のために開店を急がなければならなかったからです。
お客様も取引先も当社も、誰もが喜べるビジネスプランだと信念を持っていたことです。
長年美容室経営をしてきた友人が、製造依頼先である中国企業の開拓に全面的に協力してくれました。姉達も資金面や、サロンのインテリアに協力してくれました。また、元の会社のお客様6名にお声がけし100万円づつ無金利で融資してもらいました。
もとの会社のお客様がとても喜んで駆けつけてくれ、今もずっと来店してくださっています。来てよかったと思っていただける接客、高い技術を心がけ、兵庫県全域のみならず、大阪、三重、奈良、鳥取、等の遠方から定期的に来店してくださっています。
自分の選んだ仕事が世の中の役に立つと確信できるか否か、自分の個性が行かせるか否か、自分が楽しいと感じるか否か、やってよかったと思える仕事かどうかだと思います。
20年美容室を経営している友人とその取引先美容ディーラーの社長及び、その友人で中国でカットウィッグ(美容師の練習用)を製造依頼している九州の美容ディーラー社長。
1200万円。
神戸三宮。
全部自分でしていたが、法人化後は税理士さんにお願いしています。
第4回女性起業家大賞特別賞(全国商工会議所)を受賞できた事がきっかけで、大きく開けてきたような気がします。いくつかのメディアからの取材や地元商工会議所の皆さんに喜んでもらえたり、一番ほしかった信用を築く土台になったような気がします。
自分が行動すればするほど、周囲が動き、力になってくれる人達が現れる。いつも笑顔でいれば、さまざまな動向に右往左往することはないと実感できたことです。
人生一回!だからこそ迷っているだけではなく、先ず自分で行動を起こしましょう。
仕事を楽しむこと。出張に出ればついでにご当地の美味しいものを食べて帰ります。また、商工会議所の女性経営者倶楽部やライオンズクラブで異業種交流の中でヒントを得たり、息抜きをします。年に1回は娘と10日間ぐらい海外旅行に行くことや、家族や友人と食事や小旅行に行くこと。
貴女の選んだ仕事が利己的なものではなく、社会に貢献できるものであれば、必ず応援が現れます。女性だという事を良い意味で武器にして、しなやかに粘り強く頑張って欲しい。公的援助も数多くあります。それらを上手に利用して行けば、ある意味今は起業しやすい時代だと思います。若さばかりがもてはやされる時代ですが、起業に年齢は関係ありません。今まで生きてきた経験の全てがあなたの力に成りますよ!