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言語障害・発達障害の子どもと親のサポート

都道府県東京都 年代30代 業種福祉
 NPO法人ことのはサポート
[ 代表理事 ]
柳田 節子 さん

ことばの遅い子どもをもつ親からのメッセージを綴った通信を出し続けていた柳田節子さんが、NPO法人として再出発、さまざまな事業展開をするようになったきっかけは、ある取材記者からの言葉でした。

起業したとき

仕事の経験
結婚
子ども
生かさなかった していた いた

プロフィール

海外での生活の中、授かったお子さんは軽度発達障害。救いを求めていた時期に同じような親同士の出会いで救われた経験から、親同士メッセージを出し合える会報「言の葉通信」を出し始める。会員は増加、10周年を記念して最初の出版。更なる飛躍をめざして2004年NPO法人ことのはサポート設立。親の心理的サポートのみならず、子どもたちの自立に沿うための専門家育成など、幅広い取り組みをしている。

起業年表

年齢 西暦 主な活動
28歳
1985年
結婚と同時に夫の赴任先の香港へ行き、5年間滞在 
29歳 1986年 香港滞在中に出産 
33歳 1990年 育児サークル「言の葉通信」設立 
36歳 1993年 夫の転勤によりタイ国バンコク市駐在 
40歳 1997年 帰国 
43歳 2000年 「言の葉通信」10周年を記念して、『うちの子ことばが遅いのかな…』(ぶどう社)発行 
44歳 2001年 日本テレビニュース番組の特集「発達障害について」へ出演  
45歳 2002年 『ことばの遅い子、学校へ行く』(ぶどう社)発行。NHK福祉ネットワークへ出演   
46歳 2003年 息子の都立養護学校でPTA会長を務め始める 
47歳 2004年 NPO法人ことのはサポート設立 
49歳 2006年 軽度発達障害を持つ母親の心情を吐露した小説『こうた、もどっておいで』(東京図書出版会)発行 

起業ストーリー

共感を求める立場から、共感の場を作る立場へ

柳田さんが授かったお子さんは、成長と共に発達障害だということがわかりました。今のように障害をオープンにしにくかった時代。一人ぼっちで「理解をしてくれる人がほしい」「自分を助けてほしい」という思いで門を叩いた児童相談所の親子教室で同じような境遇の人達と出会った経験が、すべての始まりでした。“共感できる人の存在の大切さ”を痛感したのです。
そして一人で“言の葉通信”を作り始め、他にもこういう人がいるのではと育児雑誌に会員募集の投稿をしたところ、特集に取り上げられて一気に会員が増えました。それから17年目、法人化した今も、「言の葉通信」を出し続けています。

「変わらない問題点」を変えるために

「言の葉通信」10周年を記念して出し始めた書籍の出版、TV出演など、地道な活動が認められてきた柳田さんですが、NHKの取材時の記者の一言が大きな転機となりました。それまでなんの疑問ももたず淡々とこなしてきたことは単のルーチンワークだったのではないか、「変わらない問題点」を解決すべく、もっと行動できるのではないか、と。
その情熱に、たくさんの応援者や会員が賛同してくれ、NPO法人として新たな歩みを始めました。「助成金に頼らない自立したNPOに」という想いも強く、会報だけでなく言語聴覚士やジョブコーチの育成養成、講演会、ビデオ教材の作成販売などを続けながら、都や企業へのアプローチも初めています。

理想をいつも忘れない

柳田さんのお子さんは現在、養護学校専攻科に在籍しています。幼い頃、頼りにする人も場所もなく四面楚歌状態だったことを思うと、就学前後で悩みを抱えている親御さんを意識せざるをえない、と言います。
設立以来「言の葉通信を必要とする人が一人でもいる限り、解散はしません」と言い続けている柳田さん。「理想を少しでも現実に近づけ、理想を理想としない現実になることを夢見ています」と話す柳田さんは、明るい声の中に強い信念を見せてくださいました。

会社概要

会社(団体)名 NPO法人ことのはサポート
URL http://www.e-baby.co.jp/circle/kotonoha/
創業 1990年
設立 2004年4月19日
業務内容 言語聴覚士の育成養成、ジョブコーチの育成養成、親の心理的フォローと相談事業

(柳田 節子さんの場合)

起業のきっかけ、動機

サークルの時期、NHKの取材を受けたときの記者の言葉「じゃあ、10年前と問題点は何ら変わることはないんですね」を聞いて、それまでの価値観が変わりました。自分は単なるルーチンワークをこなしていただけだったんだという思いにとらわれ、「変わらない問題点」を解消すべく行動したかった。現状を打破するには社会的な基盤が必要だと思いました。

起業までに準備したこと

特に準備ということではないのですが、結果的に育児サークルとしての「言の葉通信」10年の活動が“準備”となりました。

起業時に一番苦労したこと

活動拠点の確保。継続的な親への支援や相談業務には固定した場所が必要だったこと。

だからうまく起業できた!…その一番の理由

同じ志を持った人材がいて、その目標が一致したので。

起業時の環境(友人や家族の協力他)

当時の会員約500名の同意がありました。むしろ法人化することで、会員のメリットも増えることが確実だったのです。

最初のお客さんと営業方法

もともといた会員がお客様ともいえるでしょう。

起業の際の重要ポイント

1つは、コミュニケーション。会員からの連絡や問合せには迅速にお返事を返すようにしています。
もう1つは、筆まめであること。講師をお願いしたことのある先生や知り合った人にはまめにお便りを出したり会報をお送りしています。それが人脈が増えていくコツでもあり、営業ともいえるでしょう。

役に立った情報源や相談先

法人化に対して、関連業界の専門家の方々がかなり興味を示され、それぞれの持ち場の情報を提供してくださり、相談先となってくださいました。

開業資金

非営利団体なので特に開業資金はなくてすみました。

活動拠点(事務所・店など)

事務局。他に、相談事業の場所として隣接する公営施設を定期的に借りています。

起業時の管理体制の整備(税理士、弁護士、弁理士など)

特に用意しませんでした。

起業後の転機

まだありません。

起業して自分が成長したと感じたこと

法人格をもつことで、責任感が強くなりました。会員に対して、良い意味で“お客様”として見られるようになり、サービスを心がけるようになりました。

起業を志す人への一言アドバイス

第一は「やる気」。第二は、共通理解のあるブレインの存在。第三は「タイミング」。

気分転換のしかた

趣味に没頭。法人運営だけに終わらず、自分の好きなことをやれるだけやること。

その他伝えたいことなど

法人化はほんの数年前のことですが、その時の意欲と情熱が一気に沸騰したことを忘れていません。3年たった今後は、いかに継続させ発展させていくかを考えています。また、東京都に背中を押されるように事業展開も毎年考えざるを得ず、そのおかげで常に新しい試みに挑戦していっています。
軽度発達障害ということの社会的認知と理解を啓蒙すること。そして、そんな子どもの親御さんの心理的フォローにまい進したいこと。民間活力と公営事業のコラボレーションを目標に、明日からもがんばっていこうと思っています。  


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