事業にかかる費用と収益をふまえて、どれだけの利益が出せるのかを考えるのが、収支計画です。
商売で入ってくるお金(入ってくるべきお金)と出ていくお金を、事前の段階で具体的に検討して、商売が採算に合うかどうかを検討する必要があるわけです。
独立起業の理由はさまざまですが、事業を始める限り、その事業が利益を生まないと意味はありません。ですから、収支計画は事業計画のなかでも最も大事な作業といえます。
収益については、商品や提供するサービスの価格(単価)を具体的に設定し、1月分の売上高を計算します。売上高の計算は、「何となく」や「勘」で計算するのではなく、客観的な根拠や基準が必要になります。また、売上高はつい多く見積もりがちですが、最悪の状況を想定して見積もってください。
支出については、1月分いくら経費がかかるかを細かく見積もっていきます。こちらは売上高とは逆に、想定できる範囲で最大に予測します。出ていくお金には変動費と固定費があります。(お役立ち事典「(B)-資金計画の作成」参照)。
これで、1ヵ月当たりの入ってくるお金と出ていくお金がわかったわけですから、売上高から経費を差し引けば、それがあなたの商売の利益予測となります。
メモでも何でもいいですから、たとえば下図のような収支予測を立ててみてください。意外と「出ていくお金」が多いことに驚かされるはずです。
その結果、プラスになったでしょうか。利益が出ないようであれば、事業計画自体に無理があるということになりますから、再度計画を練り直す必要があります。
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1ヵ月目 |
2ヵ月目 |
3ヵ月目 |
4ヵ月目 |
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売上高 |
− |
600,000 |
700,000 |
1,000,000 |
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支 出 高 |
(1)売上原価(仕入) |
200,000 |
200,000 |
200,000 |
300,000 |
(2)給与(役員報酬etc) |
300,000 |
300,000 |
300,000 |
400,000 |
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(3)家賃(事務所etc) |
50,000 |
50,000 |
50,000 |
50,000 |
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(4)経費(雑費、ローンetc) |
100,000 |
100,000 |
150,000 |
150,000 |
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支出合計 〔(1)+(2)+(3)+(4)〕 |
650,000 |
650,000 |
700,000 |
900,000 |
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売上高−支出合計 |
▲650,000 |
▲50,000 |
0 |
100,000 |