起業レッスン123 : さまざまな兆しと人類史的な意味合い
起業レッスン123 : さまざまな兆しと人類史的な意味合い
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前回は、<働きかた革命>について話しました。
1.新たな社会を予見する<兆し>のひとつが、数年前に流行った<ノマドワーカー>という言葉。
2.ノマドは遊牧民を意味するので、<ノマドワーカー>とは働く場所を自由に移動する者。
3.事務所の固定した場所だけでなく、カフェや公園で、車や電車のなかで、リゾートで、どこでもいつでも、、、
4.場所と時間の制約から、働きかたが解放された。
5.また、2000年ごろに刊行された、ダニエルピンク著<フリーエージェント社会の到来>もひとつの兆しを伝えている。
6.米国社会で、正規雇用(正社員)の割合が減り、非正規雇用(フリーエージェント)の割合が高まっていることを報告したレポートだ。
7.その後、日本でも同様の社会現象となり論議を呼んでいるが、雇用契約のスタイルは急速に変わってきている。
8.いずれも、働きかたに関する新たな<兆し>だが、これらの兆しは多種多様に枝分かれしながらも、ひとつの大きなうねりとなり、今では<働きかた革命>と称されるようになった。
<クラウドソーシング><ノマドワーカー><フリーエージェント>などを見てきましたが、その他にも<兆し>はいたるところにあります。
<NPO>や<社団法人>や<任意団体>など、非営利団体活動の活発化、、、<社会起業家>(ソーシャルアントレプレナー)への注目、、、さまざまな分野における<読書会>や<勉強会>の興盛、、、
<3Dプリンター>や<IOT><ドローン><ブロックチェーン>などのテクノロジーにおけるイノベーション、、、
企業を中心に広がりつつある<マインドフルネス瞑想>や<U理論>のような精神性の潮流、、、
、、、これらのひとつひとつが、生態系の変化の兆しを現していると感じられます。
そして、ドラッカーは、これらの兆しを集約して、つぎのような人類史的な意味合いを読みとっています。
<最も重要なことは、自分自身をマネジメントする責任を担うべき時代になったことだ。
今から数百年後、長期的な視野から、私たちの時代の歴史が描かれる時、未来の歴史家は、この時代の最も重要なできごとが、テクノロジーの進歩だったとは考えない可能性が非常に高いと私は思っている。
インターネットでもなければ電子商取引でもない。
それは、人類を取り巻く環境で起こる誰も経験したことのない変化だ。
歴史上はじめて、、、この表現は誇張でも何でもない、、、さまざまな選択肢を持っている人の数が実にたくさんになり、しかも爆発的な勢いで増加している、、、そんな変化である。
つまり歴史上はじめて、こうした人たちは自分自身をマネジメントする必要に迫られている。
しかし私たちはその事態になんの備えもできていないと言える。
読者から多くの質問を受け取ったが、自分をマネジメントすることについての質問は残念ながらひとつもなかった。
どの質問も、<周りの人とどのように付き合えばよいのか?>や<自分がもっと認められるにはどうすればよいか>といった内容ばかりだった。
<自分とどのように付き合えばいいのか?>や<どのようにすればその答えが見つかるのか?>といった質問はなかった。
人類の歴史上はじめて、私たちは自分自身をマネジメントする責任を担う。
これは、どんなテクノロジーよりもはるかに大きな変化だ。
人類を取り巻く環境に起こっている決定的な変化だ。
こんな話は誰も教えてくれない、、、学校も大学も、、、
そして、誰かがそれを教えてくれるまでに、さらに何百年という歳月が流れるかもしれない。>
(続く)
** 以上は、2016年8月11日配信<起業レッスン>の再掲です *
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