起業レッスン121 : クラウドソーシング
起業レッスン121 : クラウドソーシング
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前回は、<危機とともに機会を見る>について話しました。
1.<見晴らしの良い場所>に立ち、<すでに起こった未来>を見ることができるようになると、危機の裏側に、機会もその姿を見せはじめる。
2.ドラッカー博士は、そのことをこんなふうに語っていた、、、<これまで、日本が危機的状況に瀕しているという言われかたが幾度となく繰りかえされてきた、、、これは、明らかな間違いである、、、日本が直面しているのは、危機ではなく、時代の変化である、、、日本がいますぐ取り組まねばならない課題、、、それは、時代が変わったことを認め、その変化に対応していくための意識改革だ、、、過去の現実に即した問題重視型の思考では、いま起こっている変化に気づくことができない、、、このことを理解しなければ、変化を危機と見誤ってしまう>
3.日本が直面しているのは、危機ではなく変化である、、、では、どういう変化なのか?
4.例えてみると、、、生態系が湿地帯から乾燥地帯に移行するようなもの、、、
5.湿地帯で生息できた生命体は、乾燥地帯では生存できない、、、生命体もその移行に合わせて変容しなければならない、、、
6.湿地帯の消滅にフォーカスしていると、危機しか見えない、、、しかし、乾燥地帯の出現にフォーカスすると、機会が見えてくる、、、
消滅する湿地帯ではなく、新たに出現する乾燥地帯にフォーカスする、、、
新たな乾燥地帯は、一挙に出現するのではない、、、
湿地帯のなかのところどころに、それらしき兆候がある、、、それを見ようとする、、、
ポツンポツンと現れる点としての兆しを結び合わせ、それらを線とし、面とすると、新たな社会の輪郭が見えてくる、、、
<兆し>とは、どういうものか、、、
過去に話題になった、それらしく見えるものを、いくつか取り上げてみましょう。
2014年11月、クラウドワークス社が東証マザーズに上場しましたが、これは兆しのひとつと言えます。
クラウドワークス社は、インターネットを通じて、個人と企業や自治体などの仕事の受発注を仲介する<クラウドソーシング>と呼ばれるサービスを展開しています。
2011年の創業から3年足らずで上場承認を得ましたが、創業以来、赤字を計上しているなかでの異例の上場でした。
将来性を買われた注目株だったのですね。
同業には、古参(2008年創業)のランサーズ社などがあります。
もともとは、1990年代初めごろから出てきたサービス、在宅ワーカー仲介業が原型だと思います。
在宅ワーカー仲介業は、期待されながらも、あまり広がりませんでした。
課題のひとつが、マッチングの仕組みが未熟で、十分な取引量を確保できなかった点でした。
この課題については、インターネットの普及により、かなり改善されたようです。
もうひとつの課題は、単価が安すぎたり、仕事の質の問題があったりで、双方(仕事の依頼者と受託者)ともに満足させられなかったことです。
この点については、現在でも試行錯誤の状況ですが、問題点は明確なので、徐々に改善されていくでしょう。
今はまだ過度期にあるビジネスと言っていいと思います。
将来的には、新しい社会で重要な役割を果たせるようになる完成形へと進化していくでしょう。
(続く)
** 以上は、2016年7月28日配信<起業レッスン>の再掲です *
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