起業レッスン108 : <わたし>自身の在りかたと世界への関わりかた
起業レッスン108 : <わたし>自身の在りかたと世界への関わりかた
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前回は、<人間の在りかたを封じる>について話しました。
1.<センタリング>と<ゼロポイント>については、かみくだいて易しく述べることが難しい。
2.ドラッカー自身も、比喩やイメージを使って語っていたが、肝心なところになると、哲学的な説明にならざるおえなかった。
3.ある点から先は、自分のなかに感覚化することができるかどうかという課題になり、言葉の限界が出てくる。
4.禅では<不立文字>とか言うが、言葉を離れて理解するという世界になってくる。
5.そういう意味では、<瞑想>や<座禅>の持つ意味合いと似通っているかもしれない。
6.<座禅>では、、、<結跏趺坐>と言って足を組む、、、足を組むというのは<鹿>を追うこともできないし、虎から逃げることもできない、、、つまり、足を封じられている、、、
7.両手は<印を結>ぶ、、、手は掴むこともできないし、道具も使えない、、、つまり、手を封じられている、、、
8.舌は上あごにつける、、、話すことができない、、、つまり、言葉を封じられている、、、
9.頭は、思考から離れるようにする、、、つまり、考えることを封じられている、、、
10.これらは、すべて人間としての在りかたを封じられていることを意味する。
11.伝説の老師と謳われた澤木興道禅師は、ある人から<もうすこしましな人間になりたいので座禅の修行をしたい>と言われ、こう答えたと言う、、、<座禅はましな人間になるためのものではない、、、人間を廃業するためのものだ、、、>
12.また、こんな言葉も遺している、、、<人間が偉くなったのが仏ではない、、、人間を一服したのが仏だ、、、>
これまで、<PFドラッカーの洞察力>というテーマで、ドラッカー博士の予言的な能力がどのようなものか、、、博士の視点をどう理解するか、、、そういうことについてみてきました。
ドラッカーの<観る>を理解できれば、<すでに起こった未来>を私たちも見ることができるようになると考えたからです。
しかし、それは単なるテクニックの問題ではありませんでした。
この世界で、ドラッカーさんがどういう在りかたをしているのか、、、どういう姿勢で世界に臨んでいるのか、、、そういう問いに導かれました。
それは、<わたし>自身の在りかたを、、、世界への関わりかたを、、、自分自身に問うところにかえってきます。
<リーダーとしてもっとも重要な能力は何か?>
昨年2015年、米国の名門ビジネススクール、スタンフォード大学の評議委員75名に対して、こんな問いかけがなされました。
この問いに対して、ほぼ全員が下記のように答えたと言います。
<セルフアウェアネス(自己認識)が最も重要である>
昔は、リーダーとして重要な資質として挙げられていたのは、統率力、行動力、コミュニケーション力、分析力などでした。
<自己認識>など誰も重要視していませんでした。
時代は大きく変わりました、、、精神性が重視されるようになったのです、、、
ただし、、、<自己認識>というのは、自己反省のことではない、、、自分の長所短所や性格を知ることでもない、、、
そうした自分の客観的な姿や立ち位置は、自分がそう思っている自分であり、他人がおそらくそう見ているであろう自分のことであって、、、それらパーソナリティの類はペルソナ(仮面)に過ぎないのです。
大事なのは、そういう自分を観ているもうひとりの自分がいるということへの気づきです。
今の自分を観ている自分を目覚めさせること、、、観られている自分ではなく、観ている自分のほうにフォーカスすること、、、これが、自己認識の最も重要なポイントです。
(続く)
大久保忠男
** 以上は、2016年4月14日配信<起業レッスン>の再掲です *
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