起業レッスン091 : PFドラッカーの洞察力(2) : 予言者ドラッカー
起業レッスン091 : PFドラッカーの洞察力(2) : 予言者ドラッカー
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前回は、<PFドラッカーの洞察力>について話しました。
1.沼地から砂漠に変わるように、私たちが生息する生態系が今未知のものにシフトしつつある。
2.ドラッカー博士は、50年以上も前から、それを<知識産業化社会>と呼び、今ではあたりまえの言葉になっているが、その本当の実態はまだ誰にも見えていない。
3.2030年ごろにその輪郭が明確になるだろうと博士は予見していたが、それまでは、死滅するものと生まれてくるもの、衰退するものと興盛するものの動きが激しくなる。
4.そういう時は、自分がどこに棹さしているのかが見えることが大切になる。
5.そのためには、<洞察力>が重要であり、<洞察力>によって、ミニ起業家の7つ道具の効力がより一層生かされると言える。
6.<洞察力>については、ドラッカー博士の右に出る者はいない。
7.時代の先行きを、常に誰よりも的確に見通すことができ、世間から<予言者>と謳われていたからだ。
これからしばらくの間、ドラッカー博士の洞察力がどのようなものか、なぜ博士は洞察力を持ちえたのか、そういうことについて考えてみましょう。
そして、博士の<洞察力>の幾分かを私たちも身につけましょう。
ドラッカー博士は、多くの識者や世間から、予言者と言われていました。
予言内容は、ビジネスにとどまらない、広範にわたっていました。
<ナチスの台頭><マネジメントの洞察><専門経営者時代の到来><日本の高度経済成長><ソ連の崩壊><高齢化社会と年金基金><知識産業社会の到来><非営利組織の重要性><テクノロジストの未来課題>など。
誰も気づかないうちから、その将来の姿を見通し、そのために今なにを問い、思考し、準備しなければならないかを伝え教えていました。
なぜ、博士の予言は当たるのか?
ドラッカー自身は<自分は予言などしていない、、、現在を見ているに過ぎない>と言ってました。
<現在の中に、すでに起こった未来を見て報告しているだけだ>と。
そう言えば、『すでに起こった未来』というタイトルの本もありましたね。
<すでに起こった未来>についての端的な指針は、人口統計です。
彼は、これをもとにして、来るべき高齢化社会と年金基金の課題を予見しました。
『見えざる革命』を出版したのは、今から40年前です。
当時、誰もこのことを見通していた者はいませんでした。
ドラッカーだけが知る、秘密の情報があったわけではありません。
誰もが知ることのできる一般情報のなかに、彼は<すでに起こった未来>を見たのです。
では、なぜ、彼にだけ、そのようなことが可能だったのか?
特別な情報を有していたのでないのなら、他の人には無いなにか特別な能力を持っていたのか?
そこに、ドラッカーの予言者としての秘密が隠されているのか?
(続く)
大久保忠男
** 以上は、2015年11月26日配信<起業レッスン>の再掲です *
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