起業レッスン088 : ミニ起業家の7つ道具(31) 精神性15 - センタリング
起業レッスン088 : ミニ起業家の7つ道具(31) 精神性15 - センタリング
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前回は、<精神性14−観る自分>について話しました。
<観る>ということは、自分を自分自身から引き離すことです。
そうすると、、、身体から離れ、、、感情から離れ、、、思考から離れ、、、身体にも感情にも思考にも属していない<自分>が見えてきます。
<観る自分>を発見できると、今までの日常的な自分とは異なる、もうひとりの自分が芽生えてきます。
この<もうひとりの自分>についての気づきが、これからの時代にとても大切なものになってくるのです。
今まで31回にわたって<ミニ起業家の7つ道具>のひとつひとつの特性や必要性を語ってきましたが、わたし自身は、これが最も重要だと感じています。
<もうひとりの自分>についての気づきが生まれれば、7つ道具の他の要素がたとえ不完全でも、いつでもそれを補うことができます。
一家の大黒柱のようなものです。
大黒柱がしっかりとしていれば、多少の地震の揺れがあったとしても、倒壊することはないでしょう。
以前にも話しましたが、戦後社会は変貌し、社会基盤は流動化しています。
ネクストソサエティに向けて、今、地殻変動が起こっているのです。
いたるところで地盤が揺れ動き、足場を固定することができない、、、
こういう場合は、既存の価値観や世間的な通念に執着していると、それらとともに自分自身も流動し崩壊していきます。
そうならないためには、既存の価値観や世間的な通念にとらわれないところに立脚する、もうひとりの自分が必要です。
表層ではなく、その底にある岩盤に深く杭(くい)を打つことができるのが、このもうひとりの自分です。
これが、流動し崩壊する社会の真っ只中にある自分を支えてくれるのです。
この在りかたを<センタリング>と呼びます。
<センタリング>は、<わたし>を垂直につらぬき、表層を突き抜けて岩盤に深く根ざしています。
荘子の文言に、<枢(とぼそ)>という概念が出てきます。
<枢(とぼそ)>とは、扉の回転軸を差し込む上下の穴のことを言います。
そして、この<枢(とぼそ)>は、環の中心にいて三百六十度どのような変転にも対応できる性質があり、だからこそ、なにものにも囚われない境地を示します。
こうした<センタリング>や<枢(とぼそ)>が象徴する、もうひとりの自分の<垂直性>の在りかたに気づき、それを育んでいく、、、
マインドフルネス瞑想が本来目指しているのは、このことですが、これは究極のセルフイノベーションであると言ってもよいかもしれません。
(続く)
大久保忠男
** 以上は、2015年11月5日配信<起業レッスン>の再掲です *
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