起業レッスン072 : ミニ起業家の7つ道具(15) セルフイノベーション - 想像力
起業レッスン072 : ミニ起業家の7つ道具(15) セルフイノベーション - 想像力
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前回は、<セルフイノベーション - 表現力2 - セルフブランディング>を取り上げました。
1.<セルフブランディング>は、自分のイメージを拡大したイリュージョンを表現するスキルではない。
2.自分の専門性や強みや価値観、ビジョン、スタイルを過不足なく伝えようとする方法論でありツールのこと。
3.知識産業化社会では、自分が立つ位置を選択し、自分はここに立っているよと、まわりに宣言する必要がある。
4.その時に、自分が立っている場所に立てる旗が、いわば<セルフブランディング>と呼ばれるものの象徴。
5.旗は、名刺やパンフレット・ホームページ・FBページ・ブログなど、いろいろなツールに託される。
6. どのツールを見ても、あなたの宣言が一貫しているのがわかるように表現する。
今回は、<セルフイノベーション − 想像力>について話します。
今まで語ってきた<共感力>や<表現力>にとっても、<想像力>は欠かせないものであり、私たちはいつもその能力を駆使しています。
<想像力>の働き如何で、共感力や表現力も強弱が変わってきますが、その<想像力>の重要性は、以前にも増して高まっています、、、なぜなら、、、これからの知識産業化社会はますます流動的になり細分化の方向に進んでいくからです。
そこに自分の足場をつくっていかなければなりません。
足場をつくるというのは、、、
流動的な世界と自分との関係をしっかりした形にする、、、細分化された環境を自分を接着材としてつなぎ合せていく、、、
そういう作業になるのですが、それを可能にするのが<想像力>なのです。
なかでも<物語る>能力が際立って重要になります。
そして、この<想像力ー物語る>が、過去を土台にしながら、未来をつくっていきます。
また、<物語る>能力が、自分自身に生きる意味を与えてくれます。
戦後、日本人は、<自分の物語>を綴る想像力の必要性も、その余裕も持ち合わせていませんでした。
先の大戦で敗北した国家に代わって、会社が共同体の役割を担い、個人の物語も会社が肩代わりしました。
高等教育を受け、安定した大企業に就職し、そこそこ出世し、右肩上がりの経済成長に乗って裕福になり、幸せな家庭を築き、静かな満ち足りた老後を過ごす、、、
、、、という<物語>が、バブルがはじける前の1980年代末まで、世間で共有されてきました。
この時代、個人が自分固有の物語を持つ必要を認めなかったので、物語る想像力も枯渇していたと言えます。
しかし、時代は一変し、あなたが自分を託すべき共有された物語は、国家であれ会社であれ他のなんであれ、もう随分前に無くなってしまいました、、、
ですから、ひとりひとりが自分の物語を意識的に創らなければならない時代になったのですね。
そうしないと、あなたは自分の足場を固めることができない、、、
つまり、あなたと社会との間に有効な関係を築くことができず、過去から未来に向けて橋をかけられず、どこに自分の旗を立てて良いのかもわからない、、、
あなたが、自分自身を<物語る>ことができなければ、、、他人の物語に受動的にまきこまれることを、自分に許すことになります。
(続く)
大久保忠男
** 以上は、2015年7月2日配信<起業レッスン>の再掲です *
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