起業レッスン062 : ミニ起業家の7つ道具(5) 自分の市場
起業レッスン062 : ミニ起業家の7つ道具(5) 自分の市場
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前回は、<ミニ起業家の7つ道具:自分のチーム>を話しました。
1.自分のオリジナル・ビジネスでも、顧客企業からの請負でも、プロジェクト型のビジネスを遂行するには、自分のチームが必要となる。
2.各分野での能力があり、相互に信頼しあえる<チーム>を持つことができれば、大きな財産となる。
3.チームメンバーには、IT関連やメディア関連、企画・営業・マーケッター・事務管理、士業関連、テーマ毎のプロフェショナルなどが要請される。
4.しかし、チームは即席でつくることはできない、時間がかかる、、、協同作業を試みながら、信頼関係を醸成していかなければならないから。
<ミニ起業家の7つ道具>の<1.思い><2.専門性><3.自分のチーム>に続いて、、、今回は、<4.自分の市場>について話します。
<自分の市場>は、ミニ起業家の経済的基盤をどのように築くかという課題に応えるものです。
ミニ起業家は、自分が有する専門性がどんなに高度なものであっても、また、自分のチームがどれほど優秀であっても、<自分の市場>がなければ、自身の経済的基盤は、一銭たりとも築くことはできません。
ミニ起業家に給与を払ってくれる人は誰もいません。
ですから、ミニ起業家は、<自分の市場>をどのようにかたちづくっていくのか、時間の許す限り、いつも、、、深く、、、考えることが求められます。
<自分の市場>を形成する上で、まず、最初の重要なポイントは、ミニ起業家にとっての市場政策は、<狩猟型>や<焼畑農業型>であってはいけない、、、という点です。
<狩猟型>や<焼畑農業型>は、消耗型の市場政策です。
極論すると、顧客を使い捨てのように扱うやりかたです。
ミニ起業家は、このような方法をとるべきではありません。
反対に、<持続的な栽培型>や<牧畜・養殖漁業型>を基本とします。
一言でいうと、一見(いちげん)さんではなく、固定客を大切にするということです。
固定客には、法人客と個人客があります。
どちらになるかは、ビジネススタイルが、<BtoB>か<BtoC>かによって変わってきます。
<BtoB> → http://www.watashi-kigyou.com/000585.htm
<BtoC> → http://www.watashi-kigyou.com/000586.htm
ミニ起業家物語の佐藤真美さんの場合は、、、
当初は、<BtoB>のビジネスからはじめたので、固定客は法人客でした。
そして、次第に、ECなどの<BtoC>に移行していきましたので、個人客が重要になっていきました。
→ http://www.watashi-kigyou.com/mm_bkcknumber_v023.php
また、法人客と個人客のどちらも同じくらいに重要な場合もあるでしょう。
それぞれのケースによって、<自分の市場>の性格が異なってきます。
真美さんは、物語の後半で、講習会活動を通じて、<オーガニックママの会>をつくりましたが、これが、<自分の市場>のコアとなりました。
→ http://www.watashi-kigyou.com/mm_bkcknumber_v036.php
このように、<自分の市場>のコアができると、経済的基盤の輪郭が見えやすくなります。
簡単な計算式は、次のようになります。
<固定客の平均単価 x 年間購買頻度 x 利益率 x 新規獲得率/離反率>
上記の<離反率>というのは、固定客から外れる数値です。
<新規獲得率>というのは、固定客予備軍リストから固定客に移行する数値です。
ですから、<自分の市場>の仕組みには、つねに新規ユーザーが入ってくる入り口、そして、新規ユーザーから固定客に移行する回路、最後に、固定客を維持する仕組み、、、が必要な施策となります。
なかでも、固定客を維持する仕組みがもっとも重要です。
そして、この固定客を維持するための施策については、従来のビジネス通念を超えていかなければなりません。
ミニ起業家にとっての固定客は、単なる<お客>ではないのです。
彼らは、ミニ起業家の価値観を共有する同志です。
あなたのライフスタイルに共鳴する友人です。
ですから、<市場>は、必然的に<コミュニティ>に変移します。
真美さんの<オーガニックママの会>は、真美さんのオーガニックライフに共感する<コミュニティ>になりました。
焼き畑農業はお客をものとして扱いますが、コミュニティは固定客を友人として扱うと言っていいでしょう。
大久保忠男
** 以上は、2015年4月9日配信<起業レッスン>の再掲です *
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