起業レッスン042 : ミニ起業家物語 − ミニ起業家的講師の創出
起業レッスン042 : ミニ起業家物語 − ミニ起業家的講師の創出
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前回は、<起業家物語−講師の仕事場>を話しました。
佐藤真美さんは、講師養成講座や講師見習期間、そして認定試験などを通じて、講師を輩出する仕組みをつくりました。
講師の資格が得られると、真美さんの主宰する講習会の講師としての活動の機会ができます。
しかし、将来的には、講師の増加にともない、仕事場が足りなくなる、、、
真美さんは、それを見越して二つの企画を編み出しました。
ひとつは、他の組織への出前出張講師。
これは、企業や自治体、大学、専門学校、NPOなどに、講師と教材内容をセットで提案提供するというもの。
他のひとつは、講師自身による講習会の事業運営でした。
【佐藤真美さんのミニ起業家物語−29】
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真美さんは、講師自身が、講師であると同時に、運営者であり、経営者でもあるというスタイルで、講師の仕事場を増やそうと試みた。
新たに講師になったママは、自分が住んでいる地域で、講習会を開くことができる、、、
会場を手配し、マタニティ・ママを集客する、、、
手づくり教材キット(産着やテディベアなど)は、真美さんの会社から仕入れる、、、
受講生は、<オーガニックママの会>の支部メンバーとなり、その講師の顧客として継続的なフォローを受ける、、、
経営や運営については、真美さんから定期的に、指導やアドバイスを受けられる、、、
真美さん自身がこれまでやってきたことを、新たな講師に、自分が住む地域で、同じようにやってもらうための仕組みとなるのだ、、、
つまり、彼女が、ミニ起業家としてひとり立ちしてきたように、新たな講師たちも同様に、ミニ起業家への道を歩めるようになる。
かっては、このような仕組みを代表していたのは、フランチャイズと家元制度だった。
フランチャイズは、主に、小売・サービス・教育分野で発達した。
家元制度は、日本舞踊や茶道、花道など、伝統的なお稽古ごとの分野で定着した。
真美さんの仕組みは、これらのノウハウを受けつぎながら、もっとシンプルで、育児中のママのライフスタイルに適った活動ができるように進化させたものだ。
講師たちは、自分自身がマタニティの時に、自分のニーズを充たすために、受講生としての体験を経ている。
だから、手づくり教室に来るマタニティのニーズを肌で理解し、その気持ちに共感することができる、、、
そして、当時の自分が受講して得られた数々のメリット、、、
たとえば、赤ちゃんへの愛情を深められたこと、、、手を動かすことによって、ウツ気分を和らげることができたこと、、、ママ友が得られたこと、、、自分のためのコミュニティができたこと、、、、などで、自分が感じた安心感や未来を、後輩のマタニティたちとシェアしたいと思う、、、
また、当時自分がしてほしかったサポートを、今度は逆の立場で、可能な限り提供していこうと考える、、、
そういう共感力とサポート力のある講師が、教室を拡大し、生徒を増やしていった。
講師は、生徒から先生と呼ばれる。
一般的に言って、生徒は先生を敬ってくれる、、、
講師ビジネスにくらべて、販売ビジネスの場合は、買い手が売り手を敬ってくれることはめったにない、、、
たいていは、買い手のほうが売り手より、目線が上だ。
しかし、販売ビジネスの売り手と講師ビジネスの講師は、客観的にみれば、ほとんど同じ立場だ、、、
講師も手づくりキットを生徒に販売しているわけだから、、、
ところが、顧客(買い手or生徒)との関係は雲泥の差がある。
だから、講師ビジネスの講師は、自尊心がくすぐられる、、、
当然、講師になりたい者も増える。
だが、誤解してはいけないと、真美さんは、講師たちを戒めている。
講師ビジネスの講師は、販売ビジネスの売り手より偉いわけではない、、、
ママのためのサービスの提供者にすぎない、、、
プロ意識は必要だが、傲慢になってはいけない、、、
いつも、そう言い聞かせている。
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(続きは次回へ)
大久保忠男
** 以上は、2014年7月31日配信<起業レッスン>の再掲です *
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