起業レッスン025 : ミニ起業家物語 − マーケティングセミナー
起業レッスン025 : ミニ起業家物語 − マーケティングセミナー
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前回は、<起業家物語−ECビジネスの課題>を話しました。
佐藤さんのEC販売の売上は順調に伸びていましたが、課題がありました。
粗利(あらり)が薄いために、費用をまかなった後に、利益が残らないことです。
粗利を厚くするためには、(株)エコスタイルとしてのオリジナル商品を開発して販売しなければならないと、佐藤さんは考えました。
しかし、オリジナル商品の開発には在庫リスクが伴います。
そのリスクを避けるために、当初は、一品目のみを取り扱うことにしました。
その品目を何にするか、、、
どういうわけか、これについての判断は、後々ビジネス全体に重要な影響をおよぼすのではないか、、、という直感が、佐藤さんに働きました。
【佐藤真美さんのミニ起業家物語−12】
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佐藤さんは、(株)エコスタイルとしての自前の商品を何にするかを決めかねていた。
はじめてのオリジナル商品なので、自分で納得のいくものを選びたかった。
そういう思案に明け暮れている時、友人からビジネスセミナーの誘いがあった。
マーケティングに関するもので、基礎編と実践編のふたつを受講できるという。
商品政策に悩んでいた佐藤さんは、参考になるかもしれないと思い、それに参加することにした。
マーケティング基礎編では、<顧客がだれか?><顧客の価値はなにか?>という問いかけが大切だということを学んだ。
マーケティング実践編では、顧客ニーズを探るための<市場調査>や<顧客属性分析>などについて学んだ。
学んだ知識をどのように役立てれば、オリジナル商品が選定できるようになるのだろうか、、、
佐藤さんは、まず<顧客はだれか?>について考えてみた。
(株)エコスタイルのECは、出産準備用品が主体だ。
したがって、出産前後のママ、特にマタニティが主要顧客になる。
パパや祖父母も顧客ではあるが、まず一番は、ママだろう、、、<顧客はママ(マタニティ)>だ。
では、<顧客の価値はなにか?>についてはどうか、、、
出産準備用品における、マタニティにとっての価値とはなんだろう?
もともと、佐藤さんが、EC取扱商品として、出産準備用品を選択したのは、オーガニックコットンを必要とし、オーガニックコットンにふさわしいのは、赤ちゃんだと思ったからだ。
なぜなら、オーガニックコットンというものが、肌にも心にももっとも優しい生地だと考えているからだ。
100%真正のオーガニックコットンは、綿栽培には一切の農薬・化学肥料を使わず、生地や糸の製造工程に関しても、柔軟剤・蛍光剤・漂白剤・化学染料などをまったく使用しない。
だから、肌の感触がやわらかく優しい、、、また、なんど洗ってもごわごわした硬さにならず、逆に洗えば洗うほど、肌になじんでくる。(化学洗剤を使えないが、、、)
つまり、佐藤さんが、EC商品として、オーガニックコットンの出産準備用品を選んだ時点で、佐藤さんの考える「顧客の価値」は明らかだった。
これから誕生する赤ちゃんへの安心・安全・優しさが、胎児を育んでいるママ(マタニティ)の願いであり、価値だ。
自問自答がすいすいと運び、マーケティングって、もっと難しいものかと思っていたけど、意外と易しいではないか、、、と、佐藤さんはつぶやいていた、、、
だが肝心の、オリジナル商品を何にすればよいかは、まだわからなかった。
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(続きは次回へ)
大久保忠男
** 以上は、2014年2月27日配信<起業レッスン>の再掲です *
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