起業レッスン024 : ミニ起業家物語 − ECビジネスの課題
前回は、<起業家物語−EC集客>を話しました。
佐藤さんの仕事は、これまで、業務契約を交わした企業や店舗向けのビジネス支援業務でした。
今回のECは、個人相手のビジネスとなります。
前者をBtoB、後者をBtoCと呼びます。
EC開設により、新たに個人顧客を集客しなければなりませんでした。
そのために、佐藤さんは、オンラインとオフラインの両面で集客活動を始めました。
オンライン面は、主に野中さんが担いました。
オフライン面は、佐藤さんが担いました。
それらの施策がすこしづつ功を奏し、売上が伸びていきました。
しかし、課題がありました。
それは、売上が伸びても、なかなか利益につながらないことでした。
【佐藤真美さんのミニ起業家物語−11】
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売上が利益につながらないことは、佐藤さんにとっては、当初からわかっていたことだった。
粗利(あらり)が少ないのだ。
現在の仕入価格は、平均すると、小売価格の7掛けほどなので、粗利は約3割である。
仕入れ契約の際に、注文個数や配送などについて、特例的な条件を承諾してもらったので、価格面での条件が厳しくなった。
この3割の粗利から、広告やアフィリエイトやプレゼントその他の変動費とサーバーなどの固定費を差し引くと、利益はほとんど見込めない。
この課題を解決するためには、二つの方向性がある。
ひとつは、現行商品の販売数量を飛躍的に伸ばし、仕入れ条件を全面的に改善すること、、、
しかし、そういうやり方は、広告費が増大し、なによりも、佐藤さんのポリシーに合致しない。
他のひとつは、(株)エコスタイルのオリジナル商品開発だ。
こちらはリスクを避ける工夫が可能であり、佐藤さんのポリシーにも合致する。
今までの取り扱い商品は、すべて仕入先の既存商品だった。
当然、佐藤さんのECだけでなく、他の店や通販、ECでも取り扱っている。
一方、オリジナル商品の開発は、仕入先には従来無かった新商品となる。
だから、この商品については、佐藤さんが全面的に責任を持たなければならない、、、
つまり、(株)エコスタイルが、製造品をすべて引き受けることになる。
そのかわり、小売価格は佐藤さんが自由に決めることができる。
発注量にもよるが、通常の事例では、原価は小売価格の3割〜4割なので、6〜7割の粗利を見込むことができる。
販売政策における費用割当に余裕ができて、多様なマーケティング施策が可能になるのだ。
オリジナル商品開発にあたって、まず、佐藤さんは、リスクを最小限におさえるため、品目をひとつに絞ることにした。
その品目を何にするか、、、
佐藤さんは、重要な判断を迫られた。
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(続きは次回へ)
大久保忠男
** 以上は、2014年2月20日配信<起業レッスン>の再掲です *
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