起業レッスン020 : ミニ起業家物語 − チームをつくる
前回(019)は、ミニ起業家としての、仕事のスタイルについて、アウトソーシングの重要性を話しました。
佐藤さんは、根幹の仕事以外は、できるだけ外部の専門企業やフリーランサーに委託し、自分自身の時間を確保するように努めました。
しかし一方、実際問題として、社員がいないと、すこし大きな仕事や複雑な仕事を請けるのが難しい。
将来、そういう仕事のチャンスも逃したくない佐藤さんは、そのための準備を今からしておこうと考えていました。
【佐藤真美さんのミニ起業家物語】
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〔プロジェクトチームづくり〕
(株)エコスタイルは、働き手が佐藤社長ひとりだけのマイクロカンパニーだ。
自分の感性にしたがって、余計なものをそぎ落とした結果、もっともシンプルなビジネススタイルを目指すことになった。
だが、社員がいないので、すこし大きな仕事や、自分の手におえない業務依頼があった時は、複数の助っ人が必要になる。
また、佐藤さんは、プロジェクトベースの仕事も主体的に請け負うのが、将来の夢でもある。
例えば、オーガニックコットン通販カタログのとりまとめやECショップ開設のようなプロジェクトを一括請負したいと考えている。
そのような大きな仕事をこなすためには、役割分担できるチームが必要だ。
実は、起業を志した時から、佐藤さんは、社員を雇うのではなく、代わりに、外部スタッフによるチームづくりを思い描いていた。
いざという時に集まり、プロジェクトが終了すると解散する、、、カッコイイではないかと。
では、どういうメンバーが必要だろうか?
IT関連では、、、webサイト制作やソーシャルメディア専門家、、、
媒体誌面については、、、編集者やデザイナー、ライター、、、
その他では、、、事務管理、営業スタッフ(仕入交渉など)、マーケッターなど、、、
もちろん、プロジェクトの内容によって、求められる人材もかわってくる。
プロジェクトは、突然入ってくることが多い。
予定もできないし、定期的でもない(定期的なケアにつながるケースもないわけではないが、、、)
したがって、チームメイトを固定化することはできない。
チームメイト自身もそれぞれ自身の仕事を抱えている。
佐藤さんが、プロジェクトディレクターとして参画を呼びかけたとしても、彼らが、そういう中で彼女のために時間を割いてくれる、、、というようなことはあまり期待できない。
チームメイトにとって、プロジェクト参画自体の条件や魅力はもちろんだが、佐藤さん自身の信頼と魅力が醸成されていることが前提になる。
だから、まずは、チームメイト候補との信頼関係を築くことからはじめなければならない。
佐藤さんは、そう考えて、チームメイト候補の名簿作りからはじめた。
信頼できて仕事の協力が得られそうな人材リストだ。
まずは、知人友人関係をリストアップした。
フリーランサーがベストだが、たとえ会社勤めでも、休日や時間外に手伝ってくれそうな人はいるはずだ。
知人友人のネットワークだけでは限界があるので、さまざまなつてをたどって、広くあたらなければならない。
しかし、ほんとにプロジェクトを動かせるチームをつくるには、現実にプロジェクトをそのチームで動かしてみるほかない。
何度か仕事をともにするなかで、信頼できるチームがつくられてくるからだ。
それまでは、チームメイト候補に部分的な仕事を依頼して、能力と信頼度を評価しながら、人材ネットワークを築いていこうと、佐藤さんは考えていた。
このような流れの中で、佐藤さんは、異業種交流のある集まりで、将来、チームメイト候補になれそうなひとりと親しくなり、互いに協力し合うことを約束する。
そのひとりとは、web制作を専門にしている野中幸恵さんだ。
野中さんは、フリーランサーとして、企業や自治体などからweb制作を依頼を受けたり、複数の企業のサイト運営をまかされたりしている。
佐藤さんも、野中さんも、たった一人でビジネス界で生きているという共感もあり、ふたりは急速に親しくなった。
そして、仕事の能力の点でも、人間的な信頼性の面でも、佐藤さんは、野中さんをチームメイトとして見るようになる。
しばらくして、野中さんから佐藤さんに次のような提案があった。
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(続きは次回へ)
大久保忠男
** 以上は、2014年1月23日配信<起業レッスン>の再掲です *
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