起業レッスン019 : ミニ起業家物語 − 仕事のスタイル
前々回(017)は、佐藤真美さんが、ミニ起業家として、どのようなライフスタイルを実践しようとしているかを物語りました。
自分の好きな海の見える場所に住まいを移し、海や陽の光や風など自然を楽しみながら、自宅で仕事をする、、、
佐藤さんが望むライフスタイルを、ひとつ実現したのです。
今回は、佐藤さんが目指す<ミニ起業家>として、仕事の具体的なスタイルについて話します。
その前に、<ミニ起業家>と<ベンチャー起業家>との違いをおさえておきましょう。
というのは、<起業家>という言葉には、どうしても<ベンチャー起業家>のイメージがつきまとっているので、まずそれを払拭します。
ミニ起業家は、以前にも話したように、従来のベンチャー起業家とは違う人種だと思ったほうがいいのです。
ベンチャー起業家というモデルは、、、
なによりも社会的成功を求める、、、儲けられるお金は多ければ多いほどよい、、、冒険を好みリスクを恐れない、、、
、、、と、まあ、これはステロタイプ化されたイメージですが、一般に較べて、このような傾向が強いと言えます。
男性的な起業家像ですね。
一方、ミニ起業家が求めるのは、、、
社会的成功よりも、そこそこの自由と自分が成長できる環境、、、お金儲けではなく、経済的な安定、、、冒険やリスクよりも、日々の生活や仕事でのささやかな喜び、、、バランスのとれた落ち着いたライフスタイル、、、
こちらは、女性的な起業家像と言えるかもしれません。
(もちろん現実には、ベンチャー起業家的な女性起業家もたくさんいますので、原則論としてです。どちらがいいとか悪いとかの話ではありません。)
言うまでもなく、このレッスンでは、<ベンチャー起業家>ではなく、<ミニ起業家>にフォーカスしています。
【佐藤真美さんのミニ起業家物語−7】
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佐藤さんは、起業して、自分自身の会社を持ったが、自分が起業家と呼ばれるような人間像とは思っていなかった。
自分がやっていることや考えていることは、世間で流布されている<起業家>のイメージとは、似ても似つかないと感じていたからだ。
起業家というよりは、フリーランサーという言葉のほうが、自分にはしっくり合っている、、、そう考えていた。
〔アウトソーシング〕
佐藤さんの会社、(株)エコスタイルに、社員はいない、、、仕事をこなすのは、佐藤さんひとりだ。
しかし、佐藤さん自身がやるよりも、他にまかせたほうが良い仕事もある。
会計処理、契約書などの法的チェック、IT関連など、、、こうした業務は、専門会社やフリーランサーにアウトソーシングしたほうが良い。
ミニ起業家にとっては、時間が最も貴重な資源なので、できるだけ根幹の仕事に集中できるようにするのが、大切なポイントだ。
佐藤さんにとっての根幹の仕事というのは、オーガニックコットン商品の企画や調査や仕入れ、そしてキーパーソンとのコミュニケーションなどの類。
ミニ起業家にとって、アウトソーシングの活用方法が、重要なマネジメントスキルのひとつとなる。
しかし、アウトソーシングを活用するといっても、社員がいないと、すこし大きな仕事や、複雑な業務を受けるのには無理がある。
将来は、そういう仕事のチャンスも逃したくない、、、そのための準備を今から整えておかねば、、、と、佐藤さんは考えていた。
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(続きは次回へ)
大久保忠男
** 以上は、2013年1月16日配信<起業レッスン>の再掲です *
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