起業レッスン016 : ミニ起業家物語 − 収入源2
前回は、ミニ起業家物語の佐藤真美さんが、新たな収入源を確保するために、<鎌倉エコショップ>とNPO団体である<NOC>を活用するところを取り上げました。
収益シェア方式で、旧友が営んでいる鎌倉エコショップの新商品(仕入先)開拓を担うことになり、その仕入先としてNOCの会員企業と取引ができるようになるまでを話しました。
【佐藤真美さんのミニ起業家物語−5】
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〔業務請負のチャンス〕
佐藤さんは、前職の会社との業務契約で、定期収入を得ていたが、さらにもう一社か二社、定期収入が得られる顧客企業を開拓したいと考えていた。
顧客企業開拓のために、ふたつの方法を活用することにした。
ひとつは、<クラウドソーシング>と呼ばれているビジネスマッチングサービスだ。
さまざまなスタイルのサービスがあるが、簡単に言えば、自分のスキルや専門知識に見合った仕事を受注したい者と、仕事を外部に発注したい者とが出会うためのプラットフォームである。
フリーエージェント社会に入った米国で、爆発的に伸びているサービスだが、日本でも注目されつつある。
とりあえず、日本でさきがけとなったサービスをひとつ試してみることにした。
他のひとつの方法は、NOCの会員企業への訴求だ。
個々の会員企業向けに依頼通知を出そうかと考えたが、手っ取り早く、NOC理事長の宮嵜さんに、また頼むことにした。
あまりあてにはしていなかったが、しばらくしてから、宮嵜さんから連絡があった。
自然化粧品会社が、オーガニックコットンに詳しい人材をさがしているという情報だった。
早速、その会社に出向く、、、通販部門のディレクターが面談相手だ。
そのディレクターの話は、佐藤さんのキャリアにぴったりの内容だった。
同社は、数十万人の固定客向けに、自然化粧品の通販カタログを定期発行している。
そのカタログに、オーガニックコットンのガーゼやハンカチやタオル類などの通販頁を、特別付録のような形で追加し、同社の自然化粧品愛用者向けに、新ジャンルを訴求するというプロジェクトが進行していた。
オーガニックコットン製品に関する知識を持った社員がいないので、外部スタッフとして、商品(仕入れ)開拓を担ってほしいというのが、同社の希望だ。
佐藤さんは、このチャンスをものにしたいと、熱心に自分を売り込み、最終的に合意できた。
通販カタログは隔月配布で、オーガニックコットン製品による新ジャンル頁は、当初半年間のテスト期間を踏まえて、定期的な事業となるかどうか判断される。
テスト期間の半年後に中止となる可能性もあるが、当面の定期収入源を追加することができて、すこし心の余裕が生まれそうだ。
佐藤さんのビジネスコネクションが、このようにすこしづつ広がりはじめた。
これまでの活動の成果を整理してみると、、、
(1)前職の会社の請負業務(商品企画・調査・開発)
(2)旧友のエコショップの収益シェア(商品企画・仕入業務)
(3)自然化粧品会社の請負業務(商品企画・仕入調査)
クラウドソーシングでの出会いはまだないが、急にキャパを超えても困るので、それよりも今現在の仕事のリズムを固めるのを優先することにする。
次第に、経済的基盤の柱が見えてきた。
それと同時に、かなり忙しくなってきた、、、
気がつくと、日々仕事に追われて、自分を省みる余裕が無くなっていた、、、
おばあちゃんの話も、肝に銘じたつもりが、いつしか忘れていた、、、
<忙しくても、仕事を楽しみ、一瞬に喜びを感じ、今をたいせつに生きる>
これを忘れては本末転倒ではないか、、、油断をすると、すぐにもとの木阿弥になってしまう、、、
おばあちゃんの話を聞いた時に、心の底から湧き上がった暮らしかたと働きかたへの思いを、佐藤さんは形にしたかった。
そこで、住まいの環境を変えることにした。
今までは、通勤に便利な、都心に近い住宅街に住んでいたが、遠くなってもいいので、海の見える静かな場所に移り住もうと思ったのだ。
、、、海が好きだったから、、、
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、、、続きは、次回へ、、、
大久保忠男
** 以上は、2013年12月19日配信<起業レッスン>の再掲です *
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