前回は、<ミニ起業家>にすこしふれました。
会社から個人が脱け出て、ミニ起業家となり、元の勤め先の会社とのつながりも保ちながら、仕事の場を拡げていくケースを話しました。
ミニ起業家には、それ以外にも、さまざまなタイプがみられますが、こうしたミニ起業家が中核となって、これからの<起業家社会>をつくっていきます。
ミニ起業家が主たるプレイヤーとして、活躍する起業家社会とは、どのようなものか?
それを語るためには、その前に、、、ミニ起業家のエコシステム(生態系)について、見ておく必要があります。
今日は、、、ミニ起業家を支えるビジネス群の一端と、それらが形づくるエコシステム(生態系)について話します。
起業すると、、、仕事の環境を自分で用意しなければなりませんね。
昔は、この環境整備に苦労しました。
事務所や会議室、机イス書類棚などの什器一式、電話・FAXなどの通信設備、営業チャネル、事務・管理などの業務システムなどなど。
会社員として働いている時は、あたりまえですが、仕事環境のすべてが与えられています。
独立して、はじめて、これらの負担の重さに圧倒されます。
しかし、これも昔の話になりつつあります。
今は、こうした負担もずいぶんと軽くなりました。
将来はほとんど意識しなくなるでしょう。
事務所は、特別理由が無い限りは、自宅兼用で十分です。
<ノマドワーカー>というスタイルがもてはやされているように、インターネットのおかげで、働く場所と時間を自由に選択できるようになりました。
(ノマドとは、遊牧民の意味だそうです。)
どうしても必要な場合は、シェアオフィスを安く利用できます。
会議室も、大人数の場合は、会議メンバーの所属する会社の会議室を使えばすむことですし、それがだめなら、公民館・ホテル・ルノアールのようなカフェが会議機能を充実させています。
(小人数の場合はどこでも可能です。)
コピーやレポート製本などのオフィス機能は、キンコーズのようなところがまかなってくれます。
(コピー機は、コンビニをはじめ至るところにあります。)
電話受付や郵便受付などの機能が必要な時は、秘書サービスや私書箱サービスを使えばいいでしょう。
電子書籍や3Dプリンターなどは、今後ミニ起業家のための強力なツールになるはずです。
進化する宅配システムも、ミニ起業家の活動を効率化してくれます。
インターネット関連では、、、Facebook、ツイッター、youtubeなどをはじめ、ミニ起業家の活動をサポートするサービスは続々と誕生しています。
例えば、次のようなサービス、、、『ストアーズドットジェーピー』や『マイクロストア』や『ヤフーバザール』などは、超簡単にネット上にお店が持てるECサービスを提供しています。
なかでも決定的に重要なのは、営業支援サービスです。
アマゾン、楽天、ヤフー、イーベイなどが、ミニ起業家のためのビジネスサービスを部分的に先行していましたが、今は、クラウドソーシングという総称で、仕事を頼みたい人(企業)と仕事を請け負いたい人(企業)とのマッチングサービスを提供するところが急速に増えています。
このように、さまざまな分野で、ミニ起業家の活動を支援するサービスが、雨後のタケノコのように輩出しているのですね。
ミニ起業家群とこれらミニ起業家支援ビジネス群が増殖し、連携し、相互利用しあって、ミニ起業家の棲息に適したエコシステム(生態系)が醸成されてきます。
いわば、、、これまでの会社(従業員)社会から、これからの起業家社会への移行は、沼地から砂漠地へと、生態系が転換するようなものです。
そして、、、ミニ起業家のエコシステム(生態系)のなかで、中心的な役割を果たすもののひとつが<ハブシステム>です。
次回は、<ハブシステム>を話します。
大久保忠男
** 以上は、2013年9月11日配信<起業レッスン>の再掲です *
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