前回は、アバターとしての<ひとり株式会社>について話しました。
これは、会社を自分のアバターのように見立てて活用する新感覚の起業(準備)スタイルだと言いました。
今日は、そのおおもとになっている一般モデルである<ミニ起業家>について話します。
<アバターとしての会社>のようなことを考える者は、まだまだ希なケースですが、、、
<ミニ起業家>を志す人は、じわじわと増えています。
どちらも、重要なポイントは<ライフスタイル>にあります。
「成功」や「金儲け」が最重要ではなく、自分なりの生き方や信条、価値観などがキーになります。
数年前から、、、会社が社員に副業を認めたり、正社員から契約社員に移行したりするなど、雇用関係が流動的になっていますね。
社員の方でも、その流れに乗ったしたたかな生き残り戦術が見られます。
そのひとつが、会社との業務関係を維持しながら、ミニ起業家として独立を図るというもの。
例えば、、、リクルーティング会社に勤務していたDさん。
会社員時代に、新人社員研修やカウンセリングを担当していましたが、業績不振で正社員から契約社員への移行を打診されました。
Dさんは、契約社員ではなく、独立を決断して会社をつくり、会社員時代の同業務を、そこで請け負うことにしました。
独立後は、そのスキルを使って、他社にも活躍の場を広げていき、ミニ起業家としての働き方を確立しました。
また、Webマーケティング専門のJ氏。
かって、勤務先で50社ほどの顧客企業に対して、アクセス解析コンサルサービスを担当していました。
そのノウハウがJ氏個人に蓄積されていたため、J氏が起業する際には、退職後もその業務を継続して担うという条件を得ることができました。
おかげで、J氏は、経済基盤を失うことなく、ミニ起業家に移行しました。
上記2事例にみるように、会社側と退職者との条件が合えば、双方共にメリットがあるため、このようなケースは増えています。
DさんやJ氏のようなミニ起業家は、かっての起業家のように、「成功」や「金儲け」に野心を抱いて、大きなリスクを賭けるというものではない、、、
リストラなど会社側の事情であったり、自分や家族の時間を大事にしたいといった、ささやかな願いからくるものです。
とりわけ、一般企業の通常勤務が難しい育児中の女性にとっては、<起業>が残された唯一の選択となることがありますね。
育児の時間を十分に確保したいために、<起業>を選択した女性も少なくありません。
ですから、ミニ起業家が設立する会社は、事業を大きくしたり、社員を増やしたりするのではなく、自分のライフスタイルと身の丈に合った、仕事上のポジションを確保するためのものと言っていいかもしれません。
こうしたミニ起業家を後押ししているのが、ミニ起業家のための<環境整備>です。
ミニ起業家が活躍しやすい環境がひとつひとつ整備されるにつれて、ミニ起業家が棲息(せいそく)する<エコシステム(生態系)>と呼べるような社会が育ってきます。
次回は、その<エコシステム(生態系)>について話します。
大久保忠男
** 以上は、2013年8月28日配信<起業レッスン>の再掲です *
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