スピリチュアルレッスン076 : 死についてのワーク(35) グリーフワー6 - 物語
スピリチュアルレッスン076 : 死についてのワーク(35) グリーフワー6 - 物語
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前回は、<グリーフワーク:天使>について話しました。
1.臨終が近くなって、天使を見ることができると、死の恐怖が遠ざかる。
2.遺された者にも、天使がひそかに、なぐさめに訪れてくれる。
3.天使はツバサを持っているとは限らない、、、また、私もあなたも知らずして天使の役割を託されていることがある。
ロスさんが語るグリーフワーク、、、今回は<物語>です。
風邪さえもひかずいつも元気だった伴侶が癌で亡くなる、、、子どもが事故で先立つ、、、
遺された者にとっては、人生のシナリオが突然狂ってしまうような痛恨のできごとです。
予期していない、、、あり得ないこととして、、、その事実が異物のように心の中で咀嚼しきれないで残ってしまう、、、
<物語>は、受けいれがたいその異物をゆっくりと咀嚼し溶かしつくすための行為だと言えます。
愛する者の身体に異変の兆候があったのにそれを見逃していたこと、、、治療方針で悩んだこと、、、看病の苦労、、、臨終前の時間、、、臨終その時にその場を離れていたこと、、、葬儀のこと、、、etc.、
そのできごとの発端から終焉までを、何度も何度も反芻します、、、家事を終えてボーっとしている時など、いつのまにかまた反芻している、、、そういう自分に幾度も気づく、、、
反芻を繰りかえしていると、新しい事実に気づくことがある、、、何気ない些細なことを思い出し、それまでわからなかった故人の心の動きが理解できたりする、、、
そのようにして、パズルのピースがひとつひとつ埋まっていくように、断片的な思い出が一連の<物語>に昇華していく、、、
遺された者が、会う人ごとに、同じ話を何度も繰りかえすのは、<物語>を仕上げようとしているのだと、ロスさんは言います。
会う人ごとに同じ話を繰りかえしていると、故人について自分が知らないエピソードを、相手から聞けることがある、、、
そのエピソードは、物語をより豊かな内容にしてくれる、、、
だから、同じ話を何度も繰りかえしているのは、むだな作業ではない、、、
物語を完成させようとしている作家の営みと変わらない、、、
物語が完成すれば、作家はそれから自由になり、次の創作にとりかかることができる、、、
しかし、次第に、話を聞いてくれる人がいなくなる、、、
当初は、親身になって耳を傾けてくれた人も、同じ話を何度も繰りかえされると、敬遠しはじめる、、、
作家には読者が必要だし、話し手には聞き手が必要だ、、、
喪失体験者のグループが貴重なのは、喪失体験者の先輩と出会い、アドバイスが得られるだけでなく、そこで自分の喪失体験を聞いてもらえるからだ、、、
そこでは、みんなが共感をもって自分に注意を向けてくれる、、、
なぜなら、その場のみんなが、なんらかの喪失体験を共有しているから、、、そして、はじめて聞いてくれる人たちだから、、、
故人はもうこの世にいないが、物語ることによって、不在に形を与えることができる、、、
そのような営みが、遺された者の心のリズムを調律し、物語る者の視点を引き上げてくれる。
(続く)
** 以上は、2015年9月2日配信<スピリチュアルレッスン>の再掲です *
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