スピリチュアルレッスン071 : 死についてのワーク(30) グリーフワーク1
スピリチュアルレッスン071 : 死についてのワーク(30) グリーフワーク1
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前回は、死についてのワーク<遺された側からの永遠の別れ>について話しました。
1.EKロスさんの遺著となった<On Grief and Grieving>(邦訳名:永遠の別れ)は、遺された側に立って書いたもの。
2.愛する人を喪い、悲嘆に暮れる遺族のために、彼ら自身がどのように自分の喪失感に処すれば良いのか、また周囲の者(医療者や友人・縁者)が遺族にどのように接すれば良いのかが記されている。
3.遺された者の喪失と悲嘆・・・愛する者の死を境に、遺された者にとっての時間は停止し、その停止は永遠に続くように感じる。
4.<喪失>は消えることなく、<悲嘆>は時とともに深まる。
5.しかし、<悲嘆>の中から、精神的な死を経て再生に向かうプロセスが生まれてくる。
再生のプロセスは、悲嘆による癒しのプロセスでもあり、一般的には<グリーフワーク>と呼ばれています。
遺著<永遠の別れ>は、グリーフワーク(遺族)とグリーフケア(支援者)のための書です。
原著は2005年に出版されましたが、ロスさんは、その前年の2004年に亡くなりました。
共著者のデーヴィッドケスラーは、ロスさんが信頼するお弟子さんであり、グリーフワーク・グリーフケアのオーソリティです。
本書では、冒頭で次のように語られています。
<ふたりの著者が本書を執筆した動機は、悲嘆とはどのような状態のことを言い、いかなるプロセスをたどるものなのかを、読者に知っていただきたいという願望にあった・・・ だれもがいずれは経験することになる、人生でもっともつらい悲嘆の時期を迎えたときに、本書が暗い海に希望と慰めの光を投じる灯台のあかりになることを願ってやまない>(上野圭一訳)
<だれもがいずれは経験することになる、人生でもっともつらい悲嘆の時期を迎える>・・・その準備ができている人はほとんどいないでしょう。
<悲嘆>の体験も、文化であり教養のひとつですが、それを学ぼうとする意識もないし、学べる環境もない。
愛する者を喪った遺族が経験する<悲嘆>はどのようなものか、、、
その<悲嘆>をいかに生きたのか、、、
そして、どのように癒されたのか、、、
自分が当事者になるまで、他人事であり、気にもとめない、、、
できれば、そのような時間に関わりたくない、、、
だから、そのような状況にある友人知人に対して、心からの同情を感じても、その<悲嘆>を共有しようとも理解したいとも思わない、、、
時に、それは自分自身の不安を呼び起こすため、<いつまでも悲しんでばかりいないで、、、>とか<前向きに生きようよ、、、>などの無責任な言葉を向けてしまう、、、
しかし、<悲嘆>は避けるべきものではなく、<悲嘆>を十分に生きることこそが未来につながるのだ、、、というのが、ロスさんが伝えたいメッセージです。
(続く)
** 以上は、2015年7月22日配信<スピリチュアルレッスン>の再掲です *
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